ああ、もうすぐ夏休みも終わりかぁ

 宿題まだ残ってるんだよね。しかも苦手な数学さん。

 ・・・そうだ!あの人に教えてもらおうっと。



   Youthful Days=2003,08,26=


 
 プルルルルルル・・・プルルルルルル・・・プルルルルルル・・・

 あっれぇ〜出ないな。もしかしてお昼とか食べに出ちゃったな?

 そっそれはヤバイな!!早く出てー、出てってばぁ〜


 「あっはい。もしもし」

 
 受話器からは透き通った綺麗な声が返ってきた。少し息を切らしていた。でも、こんな暑さなんて何処かに忘れてしまうくらい綺麗だ。


 「あの、ですけど周助くん居ますか?」

 「周助?ちょっと待っててね。」

 
 遠くで由美子さんが周くんを呼ぶ声が聞こえた。

 周くんと私は小さい頃からの友達。私のほうが2歳年下だけど、周くんは全然そんなこと気にしないで私に接してくれる。

 それが、とても嬉しい。
 
 1度学校で「周くん」と呼んでしまって、近くに居た2・3年の女先輩達の耳に入ってしまいイジメというか

 呼び出されて・・・呼び出しをくらった事があった。

 あーだこーだ言われながらビンタとか足蹴りにされて、これが中学かぁなんて実感してたら

 周くんが来て助けてくれた事がある。周くんの顔を見たら、私の中の何かが緩んで、その場で泣き出してしまったらしい。

 そこら辺は、あんまり覚えてないんだ。ちょっと前のことなのに・・・バカだ。

 でもそれ以来、私は学校で「周くん」とは呼ばず「不二先輩」になって、先輩達に睨まれることもなくなった。

 電話が、いつの間にか保留になった。心和ます音楽が、私の耳から体の中に入っていく―――・・・

 
 「ふんふんふん・・・ふん、ふんふん――」


 「・・・・・何やってるんだい?

 「っうっわビックリさせないでよ!!あー本当にビックリした・・・」

 
 音楽に乗せて鼻歌を口ずさんでいたら、周くんがいきなり電話に出た。
 
 無意識に鼻歌を歌っていて、それを人に聞かれるとこんなに恥ずかしかったっけ?冷静な周くんは話を続けた。


 「で?僕に用って何?出来ることのなら手伝わしてもらうよ。」
  
 「ええ〜っとですね大変要領の悪い私は、まだ夏休みの宿題が終わっていないんですよ。

  ですから周助さまのお力をお借りしたいなぁーっと思って、お電話をさせていただいた訳なんですけど・・・どうでしょうか?」




 しばらく沈黙が続いてが、だめかな〜と思い始めたとき携帯にメールが入った。

 差出人は・・・・「リョーマ」だった。




 「・・・別に良いけど、もう一人、大変要領の悪いお仲間が居ますが宜しいでしょうか?」


 「あ、オッケィですとも!!お願いいたします!!」

 「じゃあ今からでもおいでよ。お仲間は、さっきから英語に奮闘中です。」

 「(誰かな〜♪)分かった!!ありがとうね。じゃあ準備したらすぐ行くよ!!!」

 

      
     カチャン


 
 周くんは優しいなぁ。やっぱり持つものは友よ!!頼りになるな。

 優しい・・・かぁ。この前の越前さんは、どうしたんだろう?そりゃ嬉しかったけどね。

 暗かったから、そういう風に見えちゃったのかもしれないよね。

 よし!!準備して周くん家、行ってさっさと宿題終わらせちゃおっと♪

 が携帯をふと見るとメールが1件はいっていることに気づいた。

 
 「おっ誰かな?急がなきゃいけないし読むだけにしようっと。写真つきじゃないか!!何かな〜

  越前さんだ・・・?あれ?越前さんにメルアド教えたっけ・・・」










                    は?
   








                 なんですかこれわっ?


 




 




 そこには傷だらけのリョーマが学ラン姿で壁によっかかって、倒れているのが映っていた。誰かに殴られたような傷跡がたくさんついていた。

 は呆然と、その写真を眺めるしかなかった。肩にかけていた勉強道具入りのバッグをドサっと落とした。

 
 「ど・・・どうしたの?越前さん?なにやってんのだろ・・・・・。え、え、え?
 
  助けに・・・でも此処って何処だろ?でも・・・周くん!!周くんに連絡して一緒に探してもらおう。うん、その方がいい――・・・」
































                 そんな時間なんかないよ



































                周くんの声が聞こえたんだ。





 

 私は無我夢中で家を飛び出した。何となく、そこが知っている場所に見えた。そこに賭けた。

   周くんには申し訳ないけれど、今は・・・リョーマが心配でしょうがないの。

 いつも余裕たっぷりの笑みを浮かべるけど、今日は違うの。リョーマが危険なの。私が助けてあげなきゃいけないの!!!


 暑さで何度も倒れそうになりながら賭けた「場所」に着いた。

 私の体力は決して多い方ではないのに、どうしてこんなにも多く走れたのだろう。

 すべてはリョーマの為だから。自分から抜け出す最後のチャンスなのかもしれないから。


 ・・・・・・・本当は怖くて堪らなかった。







   「此処だよね。リョーマ」





 
 目の前には入れないはずの学校が堂々と建っていて、私を素直に入れてくれた。

 
  門が開いてた。可能性が増える。

 
 最後の力を振り絞って、出ないはずの力を頼りに私は駆けて行った。リョーマの元へ。

 人生最大の「運」を使ってしまったかもしれない。私の勘は、当たった。


 




















   「リョーマ!!」



















 写真と同じように校舎裏でリョーマは倒れていた。見た瞬間、泣き出しそうになってしまった。涙を飲み込んだ。

 だってぐったりと、倒れてる。リョーマの近くに行き、体を起こしても反応がない。





    だめだった。私は泣き虫だった。





 冷たくてしょっぱいのが目から溢れ出た。泣くな、泣くな、泣くな・・・

 自分に言い聞かせたって泣いているのは自分なんだから、泣きやめれなかった。

 どうしてこんな事になっちゃったの?ねぇ何が起こったの?教えてよ。リョーマ。リョーマ――――・・・・・・

 傷だらけのリョーマの頬に、私の涙が零れ落ちた。もう視界が曇って何も見えなかった。

 世界が歪んで見えた。






 
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 何やってるんだか、あたしゃぁ。リョーマを勝手に・・・・
 でも、まだ続きます。(笑)
 初ドリームでこれってどういうことって感じだよね・・・ははは。
 ラストは、どうなっちゃうんでしょう?
 さん、自分との戦い。
 リョーマ、くたばるな!!!!(・・・。)
               2003、08、26 いち











            

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